プラスチック汚染とは 第1章

皆様こんにちは、
「Human Natures(ヒューマン・ネイチャーズ)」です。

Human Natures(以下HN)は「仕事・身体・地球の環境を改善する」をテーマに製品の企画及び開発を行っております。

前回の「廃プラスチックについて」に引き続き、
今回も「地球環境」をテーマにした投稿です。

前回では『廃プラスチックについて』と題し、以下コンテンツを投稿してまいりました。
読み物(文章)本ウェブサイト
聞き物(音声)YouTube配信

今回から『プラスチック汚染』と題し新しいフェーズに入ります。
現在の状況を知る上で大変興味深い話ですので、
長文ですが最後まで読んでいただければ幸いです。

はじめに

プラスチックが本格的に生産されるようになったのは、1950年頃といわれており、その頃の生産量は約200万トンでした。

その後年々増加し、2015年には約4億トンとなっています。
1950年~2015年のトータル生産量は83億トン

そのうち63億トンがゴミとして処分され、そのうちのリサイクルされたものは9%にすぎず、12%は焼却、残りの79%にあたる約50億トンが埋め立て処分もしくは投棄されたといいます。

人工的に作られたプラスチックの問題点は、天然素材と違って土に還らないことです。

そのまま放置する事で、自然環境に悪影響を及ぼすことがわかってきています。
長年に渡り、適切な処理を行う仕組みの構築を行わないままプラスチックを生産し続けたツケが今、様々な形で問題となっています。

第1章 「海洋プラスチックごみ問題」

現在、大きな問題として取り上げられているのが、海洋プラスチックごみ問題です。
全世界で海に流れ出てしまっているプラごみは年間約800万トン、このままのペースでいくと2050年にはプラスチックが魚の量を上回るといわれています。

海岸に散乱しているプラごみ・ウミガメの鼻孔に刺さったストローなど、ニュースでもよく取り上げられているようにプラスチックごみの海への被害は様々です。

【被害例】
・プラスチック製の漁網が回収されずに海の中に放置されたままだと、そこに生き物がその中に入り込んでしまい出ることができず死亡していく
・親鳥がプラスチックをえさと間違えてひな鳥に与えて死亡させる
(海鳥の90%がえさと間違えてプラスチックを食べているといわれています)

(1)海洋ごみはどこからきている?どんなものがある?

海岸に流れ着くごみよりも、海流にのって漂い続けるプラごみの方がはるかに多く、それによる環境への影響が懸念されていますが、そもそもこれらのごみはどこからきているのでしょうか。
また、どんなものが多いのでしょうか。

[a] 流出・不法投棄

海洋ごみの大半は投棄によるものです。
ポイ捨てはいうまでもありませんが、ごみとして回収されたものでも、埋立地・リサイクル工場などに放置された結果、そこから海へと流れ出てしまっているようです。
海洋ごみのうち、約8割が河川などを通じて、アジアの国々から流出しているとされています。

海に流出するプラスチック量(年間川別)

これらの主要な河川からのプラスチックごみの排出量を半減させるだけでも、海洋汚染の軽減に大きな効果があるとされています。

[b] 樹脂ペレット

樹脂ペレットとは、プラスチック生成の原料となるもので、樹脂と特性を改善するためのさまざまな添加剤を溶融して練り合わせて作られます。
粒のような形をしており、だいたい3~5mm程度の大きさのものです。

樹脂ペレットは、その形と大きさのせいで、こぼれると散乱しやすく、工場や輸送中のトラックや船から漏れ出したものが、海岸や河川敷で頻繁に見つかっています。
1990年代には、世界主要国でペレット漏出防止対策が取られるようになりましたが、すでに大量のペレットが海に流れ出しているといわれており、現在も新たに漏出し続けているといわれています。

[c] 漁具

漁船が使用する漁具(漁網・釣り竿・ロープなど)には主にプラスチックが使用されており、これらの漁具を海に落としてしまった場合、回収は困難となり、海洋プラスチックごみとなります。

太平洋ゴミベルト(米国カリフォルニアとハワイの間にある世界でもっとも多くのゴミが漂う海域)を調査した結果、ゴミの46%を化学繊維の漁網が占めていたという報告があります。
うっかり落としてしまう事もあるとは思いますが、その数の多さから、不法投棄が多くを占める事は明らかでしょう。

[d] 不可抗力による災害

2011年の東日本大震災では、膨大な量の家財・自動車・養殖施設などが流されていきました。
上記の太平洋ゴミベルトの調査結果でも、ゴミの10~20%は2011年の津波によるものであるという報告があります。

[e] 各家庭からの流出

プラスチック製品からこぼれ落ちる小さい欠片が、各家庭の排水溝などを通して海へ流出しているといわれています。

  • 合成繊維の服を洗う際の洗濯クズ
  • メラミンスポンジの削りカス
  • アクリルタワシで食器を洗うときのタワシから出るカス
  • 車のタイヤから発生するカス

我々がイメージするペットボトルなどのいわゆる「プラスチック」とは異なりますが、これらも立派な「プラスチック」です。
この小さな欠片(5mm以下のプラスチック)の事は「マイクロプラスチック」などと呼ばれており、下水から海へ流出していきます。

また、1mm以下のマイクロビーズと呼ばれるものも、角質の除去や洗浄に効果がある事から下記のようなパーソナルケア商品によく使用されています。

  • 洗顔料
  • 化粧品
  • 歯磨き粉
  • ボディシャンプー

こちらもマイクロプラスチック同様、下水を通して年間何百万トンも流出しているといわれています。

2015年にアメリカ全土で「マイクロビーズ除去海域法」が成立しており、他にも2016年にイギリスとフランスが、2018年には台湾が使用規制を行っています。
日本にはマイクロプラスチック廃止を定める法案はないものの、2016年に日本化粧品工業連合会が会員企業に対し、洗い流しのスクラブ製品におけるマイクロビーズの自主規制を促しています。

< 調べてみよう >
花王・資生堂など大手メーカーはすでに使用を禁止しているとの事ですが、現在自分が使用している製品があれば、原料を調べてみましょう。
ポリエチレン・ポリプロピレンがあれば、それがマイクロビーズです。

(2)人体への影響

海に流れ出たプラスチックは海流にのって漂い続け、前述したように直接被害を及ぼすものもあれば、時間がたつにつれて劣化し、マイクロプラスチックに姿を変えるものもあります。

現在世界中の海に5兆個も漂っているとされているマイクロプラスチックも、環境に悪影響を及ぼすことがわかってきています。

[a] POPs

マイクロプラスチックは、残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)を吸着してその輸送媒体になることが報告されており、私たちの生活や自然生態系に与える影響が懸念されています。

●残留性有機汚染物質(POPs)とは
自然に分解されにくく生物濃縮によって生態系や、食品にとりこまれ摂取されることで人間の健康に害をおよぼす有機物のことです。
例えば殺虫剤として使われていたDDTなどのように、使用後に毒性が発覚し製造を中止したが、分解されにくい性質のため、過去に排出されたものが現在もなお大気中に残り続けているものです。

1998年、神奈川県で採取されたプラスチック片から高濃度のPOPsが検出され、そこから研究が進み、現在では1gのプラスチックに海水1トン分の汚染物質が濃縮されているという報告があります。

POPsは油に馴染みやすい性質をもっており、プラスチックはもともと石油のため、吸着し濃縮されていくそうです。

[b] 内分泌かく乱物質

プラスチックは人工的に作り出されたものですが、仮に小さく分解され、その成分が溶け出したとしても安全性に問題はないとされています。

ただし、BPA(ビスフェノールA)・ノニルフェノールなど、危険性が指摘されているものもあります。

●BPAとは
哺乳瓶、コップ等に使用されている「ポリカーボネート」などのプラスチックの原料となる物質ですが、実験の結果、内分泌かく乱物質の疑いが持たれています。

●内分泌かく乱物質とは
いわゆる「環境ホルモン」の事で、本来その生体内で営まれている正常なホルモンの作用に影響を与え、生体の内分泌系をかく乱し、特に胎児や乳児など器官形成の活発な時に生体に望ましくない影響を与えることが問題とされている物質

※内分泌・・・特定の器官からホルモンが血液中に分泌されること

BPAは、体重50kgの人が一日に2.5mgまでは摂取しても、特に問題はないという報告もありますが、近年、きわめて微量でも動物の胎児等に影響が生じることがあるという報告もあります。

これを受けて欧米諸国では「BPA不使用」を謳った商品が登場したり、日本でも厚生労働省が「BPAの摂取はできるだけ減らすことが望ましい」と発表したりしており、関連事業者に自主的な取り組みを要請するとともに、妊娠中の方や乳幼児のいる方に注意を呼びかけています。

[c] 添加剤

プラスチック製品には、劣化を防ぐための安定剤や色を付けるための着色剤など様々な添加剤が使用されています。

これに関しても、フタル酸エステルなど危険性が指摘されているものがあります。

●フタル酸エステル
水道管・おもちゃ・消しゴムなどに使用されている「ポリ塩化ビニル(PVC)」を軟らかくするために使用されている添加剤が「フタル酸エステル」です。
フタル酸エステル類は、研究結果によって毒性評価に差異がありますが、各国の研究機関で生殖毒性(生殖機能の異常など)が指摘されています。

また、一部のフタル酸は発がん性の可能性があるカテゴリーに分類されています。
人間への有害性の懸念から、日本でも欧米でも子供用品への使用が禁止されるなど、様々な規制をうけています。

(3)まとめ

マイクロプラスチックは、汚染物質・内分泌かく乱物質・添加剤など様々な危険因子を海に漂いながら世界中に運んでいます。

マイクロプラスチックを取り除くのは非常に難しく、水道水・ビール・食塩などからもマイクロプラスチックが検出されているとの報告もあります。

また、マイクロプラスチックは動物プランクトンと同じくらいの大きさである事から、小さい魚たちが誤食します。

こうした有害物質が生物の体内に取り込まれると、食物連鎖によってさらに大きい魚に移っていき、やがては我々にたどりつきます。

我々は、1週間にマイクロプラスチックを5グラム(およそクレジットカード1枚分)食べているといわれており、人間の便からもマイクロプラスチックが検出されているとの報告もあります。

地球環境への配慮はもちろんですが、自分自身のためにも、この現状をふまえて何をするべきなのか、一人ひとりが考えて行動していくことが大切だと考えています。

本日は以上です。

またお会いいたしましょう。
さようなら。

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プラスチック汚染とは 第2章〜第3章